K-POPをゆるゆると。

君は僕の宇宙

BOBBY "LOVE AND FALL"を今更褒めそやす

お久しぶりです。
今年度もSMTOWNに行ったり、SUPERSTAR SMTOWNを一からやり直してプラチナリーグまで行ったり、K-POPとの接点は相変わらず持ち続けているのですが、昨年同様どうもハマりきれないなという印象です。
多分今の趣味は自炊です。めっちゃ所帯染みてますね…。

AimerやあいみょんなどのJ-POPの女性歌手を永遠に聞いている時期もありつつ、K-POPに立ち返る時期も、洋楽に傾く時期もあるという感じで、好きなジャンルの一つがK-POPくらいに収まっています。

しかしですね、昨年リリースと同時にハマりまくって全曲捨て曲なしでリピート再生しまくってたバビのソロアルバムは、今もなお名曲なわけですよ。さすがにそろそろ書いとかない?自分、的な感じで1記事を費やすことに決めました。いや費やすなんて言っちゃいけないな、捧げさせていただくくらいの勢いで書かせていただきたい所存です。

テミンみたいな、この人いかにもソロデビューしそう〜!!って人がいざソロデビューしたら実際いい感じのクオリティに仕上げてくれるので、私は結構好んで聞く傾向にあるのですが、バビは本当に1作目なのに予想をはるかに上回るものを出してくれたので本当にびっくりしました。人生で1枚しか出せないんだぞ、お前これでいいのかって何回も言われて作ったのかなっていうくらい全力で、そつがなくて、惹きつけるものがたくさんあるアルバムでした。

最初にネタバレしておくと私はFIREWORKが一番好きです。

9. FIREWORK

これは君の歌だよ Baby
君のために書いたんだ Baby
君の耳に届くことを願う
祈ってる

なんて何回も言われてこの曲、そしてバビを好きにならない人いるの!????

サビがこれって、バビが絶対狙ってる女の子のために公開告白したってみんな分かっちゃうよ…というかむしろそうであってほしいし、これで落ちない女の子はいないよ…。
バビにはあと5年くらいはこの曲使って女口説いててほしい。
5年というのは、もちろんこの曲の価値は5年程度では決して色褪せないがアラサーにもなって自分がハタチそこそこの時に作った曲をダシにして女を落とそうとするのはダサいと思うからです。人間として成長がないってことでしょ、って私は本当に何が言いたいんだ。
まあ実際のところ「俺は君の罪人になりたい」って歌うアラサー、いくらバビでもちょっと嫌説。

それはさておきこの曲を私が一番いいなって思うのは、ハタチくらいの若々しくてみずみずしくて、ちょっと危なっかしい感性がサビ以外のところで惜しげもなく出されているところです。バビがこの時しか書けなかったんじゃないかなって思わせてくれる。大体のオタクはこういう刹那的な要素めっちゃ好きですよね。
サビは直球で情熱的な告白でありながらも、年齢を問わず歌えるような、「好きだ」の連呼ではない少し工夫した、背伸びをした言い方になっています。サビにそっちを選ぶのが本当にハタチそこそこって感じですごくいい。やっぱり押し出したいのはどこかと言われたらちょっと大人になった自分、みたいな。
そして幼さの出ている部分についてですが、ただひたすら彼女のことを讃え、愛を伝えようとするこの歌で、バビは直接的な愛情表現だけじゃなくいろんな言い方を試していきます。その一部に若いな〜と思わされる表現が結構あって、でもそれを自分のソロデビュー作に持ってきてしまえるところ、本当に尊いと思うんですよね。恥の概念が前のめりになってなくて、いい意味で大胆で、怖いものを知らない感じ。

具体的なところを出すと、その最たるものは
「君は俺の元カノたちとは違うよ 他の女と君を比べないでくれよ」
だと思っています。ここまでピュアな感じに求愛しておいてここで「元カノたち」の存在を出しちゃうあたり、なんというか若いとしか言えないですよね。それなりに遊んできたことを隠そうとしないところ。ほんとかわいいな〜。このまま悪い大人にならないでほしいな〜。

あとは
「なんで何度も寝ようとするの 今夜君のために準備したものが たくさん残ってるのに」とか、「地球が反対に周り 夜には寝られなかったんだ」とかで、初心っぽさやあどけなさを出してくるところも可愛いですね。

この辺りはもちろんバビ自身で意識してそうですが、やっぱりバランス感覚に長けているなあという感想を抱きます。大人びるだけの曲よりもこういう幼さを交えたほうがアンバランスさが印象に残るし、無理してなくて自然体だと好印象に受け取られるんじゃないかな。人間いつかは年取るんだから、無理して大人びる必要は絶対なくて、特にアイドルなんて自分の若さを強みにしてナンボだと思う。

ちなみにこの曲が出たあたり日本がめちゃめちゃスキャンダルに揺れてて(日本が)、こんなご時世なのにこんなモロな曲書いちゃうバビはほんとロック!!みたいな、偏差値低すぎる感想もあいまってよりこの曲が本当に本当に好きでしたね。絶対バビは日本の芸能界のスキャンダル事情1ミリも知らんからな。知ってたとしてスンリ兄さんのやつくらいやろ。

(以上の歌詞はこちら
Bobby - Firework 歌詞 和訳 カルナビ | locolocobaby
からお借りしました)

1. I LOVE YOU

ここからはできるだけ順番に書きたいところです。

とっつきやすく耳に残るサビにキャッチーなメロディー、まさに表題曲ですね。覚えやすくキャッチーな分、自分の中では繰り返して聞くモチベーションがさほど高くはなかったのですが、ここで書くにあたって歌詞を見てポテンシャルの高さに驚きました。

え、こんな最高な歌詞でソロデビューしてたならもっと早く言ってよ〜という感じ(笑)私が完全に悪いのだけれども。

「僕たちの姿をただこんな風に 美しく残したい」

「愛した代償として我慢するよ
僕しか知らなかった君だから
君しか知らなかった僕だから」

これほど美しい別れの曲を一番上に置いたのかと、バビに脱帽するしかないです。やっぱりメインテーマは十代との決別だったのかな。この歌詞は絶対に十代じゃ書けない。青春を振り返って、良いものとして、だけどもう自分とは交わらないものとして、青春と今の自分を分かつような曲だ。

バビ〜〜〜天才だって知ってたけど、ここまでだとは思わなかったなあ。もっと早くこの歌詞を知っておきたかった。鳥肌が立った。

私がMIX&MATCHで見たバビは絶対こんな歌詞を書かなかった。(と思う)(ソースはないけど)
Rolling in the deepでギターをかち割って自分の才能を拷問だと歌うバビは、勝気で、いくらか傲慢であるようにも見えて、少なくとも自分の才能への自信を隠そうとしていなかった。

ハンビンもそうなのに対してジナンだけが自信なさげに、そして申し訳なさそうにチームを率いている姿が印象的だった。
確かにハンビンとバビはプロデュースの才があって、あの番組はそれを発揮する絶好の舞台だったのだから輝かないわけがない。ジナンに才能がないと言いたいわけではないけれど、演出の面においては二人に少し遅れをとっていたのは事実だと思う。ただジナンの発表の場に臨む態度からは責任感や覚悟というような、二人の持っていない「大人」の要素を感じたのは確かだった。

でももうバビも大人なんだ…美意識ももちろん当時とは違うだろうけど、何より責任感や覚悟を兼ね備えた大人になったんだ…と思うとなんだか感傷的な気持ちになりますね…。もうギター割りたいとか思わなさそう。綺麗なままとっておきたいって思うようになったんだもんなあ。
寂しさよりもやっぱりこれからがすごく楽しみだ。ずっとバビは他人よりも自分をプロデュースするのが一番向いてる人だと思ってきたし、今もそう思ってるけど、いつかは他人も自分と同じだけうまく見せることができるようになるんだろうな。バビのプロデュースする新人、いつか見たいな〜。

(以上の歌詞はこちら
ameblo.jp
からお借りしました)

2. RUNAWAY

そんな話をしてたらちょうどバビが大人になる過渡期の曲の出番だ!
こういう曲を入れ込んでくれるから、20代前半はいいんだよな〜。バビの歌い方もすごく合ってる。

やっぱり本当に天才だなってこの曲でも思うなあ。天才以外にバビを表す言葉がなさすぎて語彙力ゼロみたいになってるけど(笑)
葛藤、現実逃避、無力感、自分が抱いてどうしようもなくなってたであろうこういうネガティブな感情を全部まとめてこの曲に昇華できるって、自力でわらしべ長者みたいなもんやん。才能ある人って本当にいいな。

やっぱり曲名からしてもサビが「連れて行ってくれ」で統一されてることからしてもネガティブな感情の方がまだ強いんだろうけど、Runawayって死ぬほど繰り返されてるのに、絶対その場所で粘ってやり遂げるんだろう未来しか想像できないのはなんでなんだろう。歌い方かな。

特に2:56あたりからの力強さが好きです。
「道に迷った俺は 疲れてもう進めない ここから俺を連れ去ってくれ」を、絶対諦めなさそうな声で歌ってるが最高にいい。絶対歌詞と気持ちが矛盾してると思う。歌詞はずっと上を向かないのに、聞いていると元気になる歌。こんなに参ってしまっている自分自身への反骨心がひしひしと感じられるというか、それ自体はまだわかるんだろうけどしんどい歌詞を反骨心全開で歌ったら聞き手に元気を与えられましたって、もう本当に歌を作って歌うために生まれてきた子やん…私がバビに憧れてたとしてこれ聞いたら尻尾巻いて逃げ出すわ。太刀打ちできません。ただバビが天才であることを世の中に誇示するためのアルバムです。それでいいんです。って勢いで初っぱなから名曲が畳み掛けてくる(笑)

(以上の歌詞はこちら
【カナルビ/歌詞/和訳】BOBBY - RUNAWAY | K-pop 歌詞和訳
からお借りしました)

3. ALIEN

もう絶対好きなやつやん。イントロ5秒聞いてハマるって確信するやつやん。もうなんなん?順を追って褒めそやしてみたらほんまに欠点なくて腹たってきたわ。

王道めなメロディで続いてたところに詳しくはわからんけどちょっと電子音的なアクセント入れて、曲名がALIENやからどんな感じなん?って思わせておいてこんなかわいい曲入れてくるとか何罪?見た目いかついのに歌詞可愛すぎる罪?新手のパッケージ詐欺?

これは十代サイドの曲ですね。よくあるじゃないですか、少女漫画でヤンキーと優等生が恋に落ちるやつ。少女漫画読む人なら全員履修してる定番ですよね。女子校だろうがガリ勉しかいない進学校だろうが今時ヤンキーを生で見たことがなかろうが、みんな好きなパターンですよ。
それのヤンキー側を供給してくれるって、市場調査完璧すぎない?大丈夫?めっちゃエゴサして夢小説読んでるとか?もうこれ以上期待超えてくるなら薄ら寒いっていうレベルまできてる。バビ怖い。

やっぱりALIENっていう表題が自分を下げて相手を上げての「違う世界の人」っていう意味なのが一番グッときますね。普通めっちゃわがままな彼女で何考えてるかわかんないけどやっぱり好き!みたいな方向になりませんか?いやもう天(以下略)

4. TENDAE

大人びたことしておきながら、サビで子供っぽさを出してヌナの心をくすぐっていくタイプの戦略的な曲です。以上。

さすがに短すぎるので弁解すると、歌詞を見ずに聞いていた時点で結構このアルバムの中でも上位に食い込むくらい好きな曲だったのですが、歌詞を見たところきちんと需要というものを理解した曲だったのでもう褒め言葉を出し尽くした私には書くことがなく、撤退させていただきました。

5. UP

ラブソングの箸休めとしてすごくいいですね。個人的にはZICOのBERMUDA TRIANGLEがめちゃくちゃ好きなので、ちょっと聞いた感じも歌詞も二番煎じ感が否めないかなあとは思ってしまいました。

ただこういう曲がアルバム中に1曲はほしいし、せっかくミノとコラボするならこの路線になるのもわからんでもないんだけど、ZICOにかぶせるよりは女の人を取り合うみたいな曲の方が見てみたかったな。

6. SECRET

宇多田ヒカル椎名林檎とコラボしてる「二時間だけのバカンス」がめっちゃ好きなんですけど、それの異性版オマージュみたいですごく好きです。一回そう見ると歌詞読めば読むほどそうとしか捉えられなくなってきてしまったけど、でも「二時間だけのバカンス」を聞いたことがない方がいたら一回聴き比べてみてほしいです。こっちはやっぱり異性が歌うということで歌詞が生々しく現実味を帯びていて、宇多田ヒカルの方はもう少しぼかしてファンタジックに仕上げているかなという違いはあるんですが、こういう違いが出るのもすごく面白いですね。第二の男(めっちゃ美声)が出てくるのも結構ツボです。

7. IN LOVE

曲調も歌詞もワンオクのWherever you areでは?(疲れてきてなんでも例えればいいと思ってるわけではないです)

なんていうか、これが全曲の中でベストだとは思わないけど、ボーカル全開でバビの歌声を堪能できる曲を入れてくるのは賢いと思いました。グループだとやっぱりラップ担当のイメージが強いですし、ファン目線に立って考えてそうなのが自己プロデュース力高いとしか言えないですね。
イントロでめちゃくちゃ壮大な感じを出しておいてバビの力まない自然な歌声だけが控えめなメロディーの上で広がる感じ、すごく自分の魅せ方がわかってるなあ。

またテミンちゃんの話になりますけど、初期に出た結構声量的な頼りなさが否めないバラード曲Ace、物足りなさがないと言えば嘘になるけれども、主張の控えめな曲は逆になかなかなくてたまに聞きたくなるし、最近の曲と比べて成長を感じられるし、割と好きなんですよね。

でもバビはそういうことはしなさそう。うまく言えないけど、成長過程を見せるというか、今後の作品を見据えた上で現段階でここに落ち着かせるっていうやり方めっちゃ嫌いそう。
この曲とAceから二人の違いが見えてくるようで少し面白いですね。あまり比べられることないと思うし、似たポジションにもいるわけでもないけど、ソロのあり方って結構色々あるんだなっていう観点から見て割と面白いです。私はテミンちゃんに関してはミニアルバムAceを経た上でのフルアルバムPress Itっていう流れごと美しいと思っています。どうでもいいか。

8. SWIM

これは私の中ではFIREWORKと結構似ていて、まあ違いは火か水かっていうのと、ちょっとこっちの方が幼いかなっていうのくらいですかね。

似ていると言っておきながらこの曲とFIREWORKだと後者の方が断然好きなんですが、この曲をハンビンが一番好きって言ってるのがすごくいいと思うんですよね。
メロディーの完成度が高いのに関してはこのアルバム通して全てに言えることなので今更わざわざ言わないですけど、今風なリズムの中でまだ幼いバビが見えるというか。私にとってこの曲の中のバビは感性が豊かな少年なんですよね。
この曲の歌詞だと能動的に動こうとしていないというか、彼女への想いに浸って、その中で泳ぐだけで満足している感じじゃないですか。その先に進もうとはしていないですよね。
恋をすることを泳ぐことに例えるのはすごくアーティスティックだし、感性は鋭いんだけれども実体験が伴っていない感じが本当に昔のバビを見せてもらっているみたいで、そこからよくサランへを作るまでになったなあと、親になったような気持ちがします(笑)

私の中でこの曲のバビはMIX&MATCHで女の子の練習生が来たときに照れてたバビと通じるものがあって、だからハンビンがこの曲が一番好きって言ってたのは結構面白く感じました。

10. LEAN ON ME

最後にファンの支えになるような曲を入れて締めるのはもう策士。ナップンナムジャ。歌い方も優しくて身に沁みる。

音楽的な挑戦だけしようとすればもう少し曲調にも幅が出ただろうけど、IN LOVEといいこの曲といい、自分のファン第一で作ったアルバムなんじゃないかなあという印象を強く受けます。ファンなら普段ラップばっかり担当している推しのガチバラード聞きたいだろうし、日々の生活を後押ししてくれるような曲も聞きたいだろうし。ファンの要望を組んだ、痒い所に手が届くようなソロアルバムですね。本当にファン思い。実際どうなんか知らんけど。

この曲は最初の曲と合わせる感じで正直なところ聞いた感じは他の曲とうまく差別化できてない感じがして、あんまりどハマりしたことはないんですが、逆にこのアルバムのコンセプトにがっちりハマる曲で最後まで貫き通したとも言えますし、この曲が最後に来たことでアルバム全体の統一感は非常に出ていると思います。IN LOVEは前後の曲と曲調を明らかに変えて飽きがこないように工夫されてましたし、ファン目線と作品としての完成度を両立させているのがまた憎いですね。

生き急いでるんじゃないかと心配になるくらいのクオリティで、次が待ちきれないですね。疲れたので以上です。